膝に水がたまる原因とは?痛みや腫れが起こる理由と対処法
2026/08/10
こんにちは。整体院つなぎ~繋~です。
整形外科クリニックで理学療法士として勤務していると、膝が腫れて痛むと訴える患者さんを多くみる機会があります。
「膝に水がたまっていると言われた」「膝が腫れて曲げにくい」「膝の水を抜いたのに、またすぐにたまってしまう」
このような経験をしたことはありませんか?
膝に水がたまると、膝が腫れて見えたり、曲げ伸ばしがしにくくなったり、歩くと痛みを感じたりすることがあります。
そもそも、なぜ膝には水がたまるのでしょうか?
実は、膝にたまっている「水」は、単なる水ではありません。膝関節の中にある関節液が、何らかの原因によって通常よりも多くなった状態です。
今回は、膝に水がたまる原因や症状、水を抜く必要があるケース、日常生活で気をつけたいことについて分かりやすく解説します。
膝にたまる「水」とは?
まず、「膝に水がたまる」とはどういう状態なのでしょうか?
膝関節の中には、関節を滑らかに動かすための「関節液」が存在します。
関節液には、膝の軟骨を保護したり、関節の動きを滑らかにしたりする役割があります。
通常は、関節液が作られる量と吸収される量のバランスが保たれています。
しかし、膝の中で炎症が起こると、関節液が過剰に作られることがあります。
その結果、関節の中に関節液が増えてしまい、「膝に水がたまった」状態になります。
つまり、膝に水がたまる=膝の中で何らかの炎症や刺激が起きている可能性があるということです。
膝に水がたまる主な原因
膝に水がたまる原因は一つではありません。
代表的なものには、以下のようなものがあります。
① 変形性膝関節症
中高年の方で特に多い原因の一つが、変形性膝関節症です。
加齢や長年の負担などによって、膝関節の軟骨がすり減ったり、骨や関節周囲の組織に変化が起こったりすることで、膝の中に炎症が生じることがあります。
その結果、関節液が増えて膝に水がたまることがあります。
・歩き始めに膝が痛い
・階段の上り下りで痛む
・正座がしにくい
・膝が腫れている
・膝が曲げにくい
といった症状がある場合には、変形性膝関節症が関係している可能性があります。
② 半月板損傷
膝関節の中には「半月板」というクッションのような組織があります。
半月板は、膝にかかる衝撃を吸収したり、関節を安定させたりする重要な役割を持っています。
スポーツや転倒などによって半月板を損傷すると、膝の中に炎症が起こり、関節液が増える場合があります。
また、半月板損傷では、
・膝を曲げ伸ばしすると引っかかる
・膝がロックされたようになる
・膝の内側または外側が痛い
・しゃがむと痛い
などの症状が出ることがあります。
③ 靭帯損傷
スポーツや転倒などによって膝の靭帯を損傷した場合にも、膝が腫れることがあります。
特に、前十字靭帯などを強く損傷すると、受傷後比較的早い段階で膝が大きく腫れることがあります。
「スポーツ中に膝をひねった」「膝からブチッという音がした」「急に膝が腫れてきた」
という場合は、靭帯などの損傷がないか確認することが大切です。
④ 痛風・偽痛風
膝の関節に尿酸の結晶などがたまる「痛風」や、ピロリン酸カルシウムの結晶が関係する「偽痛風」でも、膝に強い炎症が起こることがあります。
・急に膝が腫れた
・赤くなっている
・熱を持っている
・強い痛みがある
などの症状が出ることがあります。
突然、膝が赤く腫れて強く痛む場合には、自己判断せず医療機関を受診しましょう。
⑤ 関節リウマチなどの炎症性疾患
関節リウマチなど、全身の関節に炎症を起こす病気によって膝に水がたまることもあります。
膝だけではなく、手や指など複数の関節に痛みや腫れがある場合や、朝に関節がこわばる場合には、別の病気が関係している可能性があります。
⑥ 感染症
頻度は高くありませんが、細菌などが関節内に入り込むことで「化膿性関節炎」を起こし、膝が腫れることがあります。
強い痛み、赤み、熱感、発熱などを伴うことがあります。
この場合は早急な治療が必要になるため、「急に膝が大きく腫れた」「熱がある」「膝が赤く熱を持っている」「非常に強い痛みがある」といった症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。
膝に水がたまると、どんな症状が出る?
膝に関節液が多くたまると、次のような症状が出ることがあります。
・膝が腫れる
膝のお皿の周囲が膨らんだように見えることがあります。
左右の膝を比べると、腫れている側が分かりやすいでしょう。
・膝が曲げにくい
関節の中に液体が増えることで、膝を深く曲げたときに圧迫感や違和感を感じることがあります。
正座ができない、しゃがみにくいといった症状につながることもあります。
・膝が重く感じる
痛みだけではなく、膝が重い、張っている感じがする、膝の中がパンパンな感じがすると訴える方もいます。
・膝の痛み
水がたまる原因となっている炎症や関節の問題によって、膝に痛みが生じることがあります。
膝の水は抜いたほうがいい?
「膝に水がたまったら、水を抜けば治るの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
整形外科で膝の水を注射器で抜く処置を行うことがあります。
しかし、重要なのは、水を抜くことだけが治療ではないという点です。
水がたまっている原因を確認することが大切です。
例えば、変形性膝関節症による炎症が続いているのであれば、その原因に対する治療や運動療法などを行わなければ、再び水がたまることがあります。
そのため、水がたまったから抜くだけではなく、なぜ水がたまったのか?を考えることが重要です。
水を抜くとクセになる?
「膝の水を一度抜くとクセになって、何度も抜かなければならなくなる」という話を聞いたことがあるかもしれません。
しかし、基本的には「水を抜いたこと自体が原因で水がたまり続ける」という考え方ではありません。
膝の中で炎症などが続いていれば、再び関節液が増えることがあります。
そのため、繰り返し水がたまる場合には、なぜ繰り返しているのかを確認することが大切です。
膝に水がたまったときのリハビリ
膝に水がたまっている場合、原因や炎症の程度によってリハビリの内容は変わります。
特に大切なのは、膝の状態を確認しながら運動量を調整することです。
① 膝に負担の少ない運動から始める
痛みや腫れが強い時期に、無理にスクワットや長距離のウォーキングを行うと、症状が悪化する場合があります。
まずは膝を無理なく動かす運動や、状態に合わせた筋力トレーニングから始めます。
② 太ももの筋肉を鍛える
膝を支える筋肉として重要なのが、太ももの前側にある「大腿四頭筋」です。
大腿四頭筋が弱くなると、膝関節にかかる負担が増える可能性があります。
膝の状態に合わせて、
・膝伸ばし運動
・椅子からの立ち座り
・軽いスクワット
などを取り入れることがあります。
ただし、膝の腫れや痛みが強い場合は、無理に行わないようにしましょう。
③ 体重管理
体重が増えると、歩行や階段昇降などの日常生活で膝にかかる負担も増えます。
そのため、膝の痛みがある方では、適正体重を維持することも重要です。
運動だけでなく、食事や日常生活も含めて無理のない範囲で体重を管理していきましょう。
膝に水がたまったら運動してもいい?
「水がたまっているけど、運動しても大丈夫?」という質問もよくあります。
これは、膝の状態によって異なります。
痛みや腫れが強い場合には、運動量を減らしたほうがよいケースがあります。
一方で、痛みが落ち着いている状態であれば、膝周囲の筋力を維持するために適切な運動を行うことが大切です。
ポイントは、「痛いのを我慢して運動する」のではなく、「膝の状態に合わせて運動量を調整する」ことです。
膝に水がたまったときに注意したいこと
膝の腫れがあるときには、無理をして長時間歩いたり、膝に大きな負荷がかかる運動を行ったりするのは避けたほうがよいでしょう。
・急に腫れてきた
・強い痛みがある
・膝が赤くなっている
・熱を持っている
・発熱がある
・体重をかけることが難しい
・ケガをした後から急に腫れた
という場合は、早めに整形外科などの医療機関で診てもらうことをおすすめします。
膝に水がたまる=年齢のせいとは限らない
膝に水がたまると、年齢のせいだから仕方ないと思ってしまう方もいます。
確かに、加齢に伴う変形性膝関節症は膝に水がたまる原因の一つです。
しかし、半月板損傷、靭帯損傷、痛風・偽痛風、炎症性疾患など、さまざまな原因があります。
そのため、膝に水がたまった=単純に年齢の問題と決めつけることはできません。
特に何度も水がたまる場合や、痛み・腫れが長期間続いている場合には、一度原因を確認することが大切です。
まとめ
膝に水がたまるというのは、膝関節の中にある関節液が通常よりも増えている状態です。
主な原因として、
・変形性膝関節症
・半月板損傷
・靭帯損傷
・痛風・偽痛風
・関節リウマチなどの炎症性疾患
・感染症
などが考えられます。
水を抜くことで一時的に膝の張りや痛みが軽くなることがありますが、重要なのは「なぜ水がたまったのか」という原因を確認することです。
また、膝の状態に合わせたリハビリや筋力トレーニング、体重管理なども、膝への負担を減らすために重要になります。
膝の腫れや痛みが続いている方は、年齢のせいと放置せず、一度専門医に相談してみましょう。
膝の状態を確認し、原因に合わせた適切な対処を行うことが、膝の痛みを長引かせないための第一歩です。
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